校長室より

   

  愛媛県立野村高等学校長 松永 泰  令和2年4月~

 

2021年度 ↓ ↓

 

1学期終業式式辞

 4月8日に始まった1学期。皆さんにとってどんな学期だったでしょうか。今学期も新型コロナウイルス感染症対策をとりながら、できる限りのことを行ってきました。皆さんの活動が(愛媛)新聞に取り上げられ、児島教頭先生がホームページにアップしてくれています。一学期に掲載された一部を紹介します。5月8日は、「つなぐ野村と全国」、「全国高校生まちづくりサミット」(延期)について話し合う「N―ジオチャレ」メンバーの様子が紹介されました。

6月15日は、「逸品芋焼酎味わって」、畜産科の皆さんが西予市の蔵元と共同開発した芋焼酎「あやぐも」のPRの様子が紹介されました。6月21日には、「野村王者返り咲き」、相撲部の皆さんの活躍が紹介されました。6月29日には「牛の目利き高校生真剣勝負」、農業クラブ活動の一つ家畜審査競技県大会の様子が紹介されました。7月15日には、「復興構想よりよく」探究の時間で「地域」の選択生が取り組んでいる、のむら復興まちづくりデザインワークショップの内容が紹介されました。

日頃から、野村高校の魅力化について地域の方とお話をする機会があります。「野村高校の生徒さんは、様々な場面でよく頑張っていますね」、「地域連携活動も意欲的ですね」と言ってくれます。学校生活を通して、新聞で紹介されたように、皆さんの頑張りが地域の方にも伝わり、認められ、地域から愛され応援していることが感じられる1学期でした。

 本校は普通科と畜産科の二つの学科があります。それぞれの学科の生徒が、各科の授業の取組や学校行事、部活動等を通して、それぞれの特色を出して、いきいきと活動していると思います。今後、ますます重要になることは、学科・学年を越えて皆さんが一つの学校として目標や成果を共有し、学校の魅力化・特色化として行動しているかどうかです。「あいつら頑張っているな。私もがんばろう。一緒にやってみよう!」と思えるかということです。是非、皆さん自身が広告塔となり、野村高校をさらに盛り上げてください。

 さて、夏休みを迎えますが、夏季補習や諸行事、実習や部活動、地域連携活動等盛りだくさんです。皆さんに心がけてほしいことが二つあります。一つは、毎日の生活のリズムを崩さないこと、せっかく身についた生活習慣がこの休みで崩れてしまわないようにしてほしいと思います。二つ目に、3年生にとっては、高校生活最後の夏、進路達成に向けた勝負の夏になります。この夏こそ、将来の自分を最大限に意識して生活してほしいと思います。

 今年度の教育目標の一節、「地域とともに、未来を探究する」を忘れず、この夏、皆さんが地域の諸行事をはじめ、様々なことに果敢にチャレンジしていただくことをお願いし式辞といたします。


入学式式辞

 野村の地は、暖かな春の日差しに野山の花が見事に咲き誇っています。まさに春爛漫の佳き日に、西予市長 管家 一夫 様をはじめ、御来賓、保護者の皆様に御臨席を賜り、本年度の入学式を挙行できますことは、新入生をはじめ教職員並びに在校生一同の大きな喜びであり厚く御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可いたしました58名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは9年間の義務教育を終え、高校入試を突破し、晴れて本校の生徒となりました。これまでのたゆまぬ努力をたたえますとともに、心より歓迎いたします。特に、昨年度からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、休校措置等の厳しい環境下で中学校での学びを続け、入試を経て、本日を迎えられたことに祝意を申し上げます。そして、皆さんを今日まで立派に育てられた保護者の皆様、ご家族の皆様に、心からお慶びを申し上げます。

 さて、本校の今年度の教育目標は、「新しい時代をたくましく生き抜く人材の育成 ―地域とともに、未来を探究する―」です。自分の未来と地域の未来を、自らの意思と行動で切り拓く力を身に付け、地域に貢献し信頼される人間になってほしいと思います。

 それでは、皆さんの高校3年間が生涯の宝として大切なものになるよう、3つのことをお願いします。

 一つ目は、「学びを広げ、そして深めること」です。高校での学びは内容も量も格段に増えます。ただ、言われるままに、何とはなしに学校に来て、何とはなしに学習をするのではなく、積極的に学びを広げ深めてください。高校の学習で期待するものは、ただ教えられるままの知識や技能ではなく、私たちが生活し、仕事をし、逞しく生きるために必要とする生きた学力です。一人一台のコンピュータ端末時代が到来しました。是非、効果的に活用してほしいと思います。

 二つめは、「対話をする」ことです。確かにスマートフォンやタブレット等は便利な道具の一つです。しかし、一方では若者のコミュニケーション不足を招くのでは無いかと心配する声が聞こえます。3年間で多くの友を作り、様々な活動をとおし友人や先生方と対話をしてください。対話は、他人を思いやることにも通じます。人間が人間として生きていくためには、あたたかな人間関係がますます重要になります。是非これらのことを意識して生活してください。

 三つ目は、「広く地域社会に目を向け、開かれた人間になってほしい」といくことです。本校は、勉強、部活動、地域連携活動など、三つの行動ができる学校です。特に、地域との関わりを大切にし、地域の中から多くのことを学んでください。野村高校は、地域や同窓生の熱い思いに支えられたすばらしい学校です。地域活動での体験から自己の可能性を高め、地域を支える人材に成長していってほしいと願っています。

 どうか、これら三つのことを心にとどめ、有意義な高校生活を送ってください。

 保護者の皆様、ご家族の皆様にお願い申し上げます。私たち教職員一同は、お子様が充実した高校生活を過ごし、大きく成長できるよう全力で指導してまいります。そして、3年後に「ここで学んでよかった」と確かに実感できよう努力をいたします。どうか本校の教育活動につきまして、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、新入生の皆さんのご活躍を心から期待して、式辞といたします。


1学期始業式式辞

 本日より、令和3年度が始まりました。皆さんは、春休みをどのように過ごされましたか。きっと新型コロナウイルス感染防止策の徹底を図りながら、新年度を迎える準備に大忙しだったのではないでしょうか。

 今日から新しい学期を迎え、心新たにスタートラインに立ちました。まず、目標を立てゴールまで全力をあげてどのように走り抜けようかと考えましょう。

 目標を設定する場合、自信過剰な高い目標設定、あるいは低すぎる目標設定では、効果をもたらすことはできません。したがって、その見極めをしっかりした上で目標を設定する必要があります。その目標がクリアされたならば、もう少し高めの設定をしながら自らの意識の向上に努めます。一つの目標達成は、また新たな意欲や希望を生みだし、力を与えてくれます。

 人は誰でも新しい節目を迎えたとき、「今年こそは、頑張るぞ」とか「今度こそは・・・」と何か目標を掲げ、決意を新たにするものです。しかし、日を重ねるにつれてその決意すら忘れ、「こんなはずではなかった」と自問自答することが多々あります。時々立ち止まって、「三日坊主」を断ち切る勇気をもちましょう。「初心忘るべからず」、「継続は力なり」を心得てください。そして、目標を掲げたならば、昨年度末の終業式でご紹介した、さくら姫の開発者である廣瀬先輩のように、何事にも興味・関心を持ち、諦めることなくチャレンジを続けてください。

 今年も、昼休みを活用して皆さん一人一人と校長室で面接を行いたいと思います。昨年は、新2年1組の途中で終わりましたので、引き続き、出席番号順にお願いします。面接では、それぞれの目標を聞きますのでしっかりと答えられるようにしてください。

 本年度の本校の重点努力目標は、「新しい時代をたくましく生き抜く人材の育成 ~地域とともに、未来を探究する~」です。自分の未来と地域の未来を、自らの意思と行動で切り拓く力を身に付け、地域に貢献し信頼される人間になってほしいという思いからです。

 そして最後にもう一つ、コロナ禍ではありますが、今年度も引き続き、日本一気持ちの良いあいさつのできる学校、そして、日本一清掃活動ができる学校を目指そうということをお願いして式辞といたします。 

 

2020年度 ↓ ↓ 

3学期終業式式辞

 早いもので、今日で今年度が終了します。

 今年度は、コロナ禍の大変な1年でしたが、皆さんは、今できることに全力で向き合い、いろいろな場面で活躍をしてくれました。

 さて、今年は野村高校創立75周年でした。機会ある度に活躍されている先輩方のご紹介をしてきました。最後に、昭和59年度卒業生の「廣瀬由紀夫」さんのお話をします。

 廣瀬さんは、デルフィニウム(さくら姫)を開発された方です。デルフィニウムは一般的にブルーが出まわっていますが、このピンク色に品種改良をするには、純系淘汰、選抜・固定化の繰り返し等、高度な技術と根気強さが必要です。なんと、12年間もの年月をかけて開発されたようです。桜と見間違うような切り花で、一枝あたりの花数も多く、花にボリューム感があります。また、花木の桜は1年のなかで一瞬しか楽しめませんが、この「さくら姫」は秋から冬に花が咲き、春にもう一度花が咲いて二度楽しむこともできます。

 先日、開発者である廣瀬さんとお話しをする機会がありました。今は、愛媛県農林水産研究所にお勤めです。高校時代は、Ⅰ型(進学類型)に所属し、勉強漬けの毎日だったとのことでした。時間割が0時間目(SHR前)から9時間目まで組まれ、毎日10時間授業だったそうです。このような学校生活でしたが、勉強と同時にいつも心に留めていたことは、好奇心と探究心を持ち続けることだったそうです。私は、その気持ちの持ち方こそが、愛媛を代表するこのような愛らしい花を作り出す礎になっていると感じました。後輩の皆さんに伝えたいことは、「何事にも興味・関心を持ち、諦めることなくチャレンジを続けてほしい」と熱く語られました。

 探究心は、私たちの日頃の生活において重要な役割を果たします。探究心を持たななければ、もし問題が起きたときにもその問題に対し、積極的に解決しようとする姿勢を見せることはできません。「なぜ?」という探究心を持ち、どのような物事に対しても、自分から意欲的に取り組む姿勢が大切です。そして、疑問に向き合い、深め広げる意欲を持ち続けて下さい。

 皆さんは「探究の時間」において、探究活動を2年生はグループ、3年生は個人でテーマを決めて取り組みます。様々な課題を掘り起こし、つねに次の課題解決に向けた、新たな挑戦の繰り返しで進められていきます。皆さん自身が、新しいことや難しいことに果敢にチャレンジする主体性をしっかりと身に付けていただくことを切に望みます。

いよいよ4月からは、新しい学年になります。来年度は校内に塾も開設される予定です。一人一人が、目標に向かって諦めることなく、チャレンジ精神で臨んでください。それでは、4月にスムーズなスタートが切れるよう、この春休みを有意義に過ごしていだだくことをお願いし式辞とします。


卒業証書授与式 校長式辞

「あや雲の高照る丘に、われら愉し、きよき学びや」。校歌の一節、清らかなたたずまいを謳うこの野村高校に、卒業の春がまいりました。今日のよき日に、西予市副市長 宗 正弘 様をはじめ、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、令和2年度愛媛県立野村高等学校卒業証書授与式を挙行できますことを、卒業生はもとより、教職員一同、心から御礼申し上げます。

 また、卒業を心待ちにされていた保護者の皆様におかれましては、この3年間でたくましく成長されたお子様の姿をご覧になり、感激もひとしおと拝察いたします。心よりお慶び申し上げます。そして本当にありがとうございました。

 さて、今日の門出を迎えた62名の皆さん、卒業おめでとう。君たちの晴れの門出に、心からの拍手を送り、お祝いを申し上げます。

皆さんの3年間の歩みは、予想もできない出来事の連続でした。1年生の夏、野村は未曾有の豪雨災害に見舞われ、甚大な人的・物的被害がもたらされました。皆さんは、災害を乗り越え、強い絆のもと自分たちにできる精一杯のことをしてくれました。そして、地域を元気したいとの思いを持って、復興まちづくりに、また様々な活動に活躍をしてくれました。2年生の後半からは、新型コロナウイルス感染症の中での学校生活でした。突然の休校、部活動や諸行事の中止と縮小など、心配な毎日でした。しかし、皆さんは野村のチーム力によって困難を乗り越えてきました。

さて、本日の校歌は、「清聴」という形になりました。最後の校歌を全員で気持ちを込めて、力強く歌いたかったことでしょう。皆さんの気持ちを察するとき、万感、胸に迫るものがあります。本校の校歌は、昭和25年、生徒の間から「校歌を作ろう」と声が上がりました。生徒自身が主体的に行動し、多くの方に公募した結果、最終的には当時国語の担任であった清水清幸先生による作詞、愛媛大学の清家嘉寿恵先生によって作曲されたものです。

東の空から太陽が朝霧をわけて恵みの光を照らすとき、この緑ヶ丘の学び舎こそ、真理の花が咲き文化の香り漂う、喜びや楽しみを体感できる場所となります。そして校歌はさらに、一番に「つねにうるわし」、二番に「つねにあたらし」、三番に「つねにたくまし」と謳われています。これは現在の校訓としてとりあげています。私には、この校歌を聞くたびに、時の流れを感じ感慨無量なるものがあります。

 卒業生の皆さんに心に留めてもらいことは、まさにこの「三本の柱」です。

一、「つねにうるわし」美しい思いやりのある心の持ち主でいてください。

一、「つねにあたらし」新しい知識と技術を習得する気持ちを持ち続けてください。

一、「つねにたくまし」逞しく心身ともに健全で社会生活を前向きに歩んでください。

 そのために重要なことは、計画したことを中断することなく、最後までやりぬくこと。そして、全力で集中し努力し続けることだと思います。

最後に、もう一つだけ皆さんに伝えたいことがあります。

 皆さんが今日の日を迎えることができた背景には、常に皆さんを温かく見守り育ててくださった保護者の方々、そしていつも野村高校を応援してくださる地域の方々、同窓生の方々に支えられてきたことを忘れてはなりません。野村高校は、地域や同窓生の熱い思いに支えられたすばらしい学校です。野村高校を卒業したことに自信と誇りを持って堂々と生きてください。そして心が折れそうなときは、自分には、「野村」という強い絆と強いチーム力で結ばれた多くの仲間がいることを思い出してください。「いざともにひかりかざさん」、「いざさらに磨ききたえん」、「いざ永久のゆくてたたえん」

名残はつきませんが、皆さんが輝かしい未来に向かって、歩まれることを祈念いたしまして、式辞といたします。


3学期始業式式辞

 寒さの厳しい中、いよいよ3学期が始まります。

 まずは、大きな事故もなく、皆さんとともに新学期が迎えられることを大変うれしく思います。

 コロナ禍における、年末年始の過ごし方について、注意喚起のメールを送信させていただきました。最近の感染に関する情報を見ると、本当に少しの油断もできないと強く感じます。皆さんも、そして我々教職員も全員で決して学校にウイルスを持ち込まない、という気持ちを強く持って、それぞれが感染対策を万全にしてほしいと思います。

 さて、始業式にあたり、皆さんの先輩、「吉田和生 さん」(人形浄瑠璃文楽・人形遣い)のご紹介をします。昨年、愛媛新聞の一面に連載された、大型コラム「道標 ふるさと伝言」で掲載されたので知っている方も多いと思います。

本名は、荻野恒利(渓筋出身)さん。高校時代は演劇部で活躍されました。野村高校を昭和42年3月卒業後(普通科第18回卒業生)、直ぐに研究生となり、故吉田文雀に入門されました。高校卒業の翌年の昭和43年に初舞台を踏まれています。その後、研さんを重ね、高い技量を体得し、数々の賞を受賞されました。平成29年には、人間国宝(重要無形文化財保持者)にも認定されています。

文楽は、古くはあやつり人形と言われ、その後、人形浄瑠璃と呼ばれました。ここ西予市でも、三瓶地域の朝日文楽と明浜地域の俵津文楽が今でも継承され、両地域では学校などでも学んでいます。

 それでは、新聞記事やインタービューの内容から、印象に残ったフレーズを紹介します。

〇毎日やっていても葛藤はある。人形のしぐさ一つとっても全部がうまくできるわけやない。できなかったら、毎日地獄。でも舞台がある限り休むわけにはいかないから考える。今日70%やったら、明日は80%になるようパーセンテージを上げるように考えるだけです。

〇人生は、引き出しをたくさん持っておくことが大事。この引き出しがあかんかったら、こっちの引き出し、あっちの引き出しを引っ張り出して、いろんなこと考えるわけです。

〇ゲームやパソコンで遊んでいるだけだと、自分で考える力がなくなるかもしれん。面倒でも本を読んだり、色々経験したりして、ものの見方や考え方を身に付ければ良い。いろいろなものを見て経験して、自分の道を考えてほしい。

 吉田さんは、生きていく上で、信念を持っている人です。そして、理想の実現のためには、どんな努力もいとわない気力がある方です。また、粘り強い人でもあります。失敗してもあきらめず、それを糧にして次のステップに進むことができる力がある人です。起き上がり力や気持ちの切り替え力、継続力が備わっているのだと思います。 

 中国の老子(ろうし)が、「聞いたことは、忘れる。見たことは、覚える。やったことは、わかる」と言っています。吉田さんは、まさに、師匠の技を見て覚え、その技を表現し、自身が理解を深めました。さらに、吉田さんから多く発せられた言葉「考える」ということが非常に重要だと思いました。考えること、探究することは、自分自身の力となり、実力になると思います。吉田さんの生き方は、技を究めるための探究の繰り返しであると思いました。

 皆さんは、「総合的な探究の時間」や「課題研究」の学習に取り組んでいます。主体的に課題を設定し、情報の収集や整理・分析をしてまとめるといった学習です。まずは、考えることから探究学習が始まります。様々なことを掘り下げて考えることは、探究心を養うために重要だと思います

 1・2年生は、吉田さんの生き方と『考える』行動習慣を参考にして、探究心をもって生活してください。3年生は、残り少ない学校生活、吉田さんのように、粘り強く、強い精神力で最後まで目標を持って生活してください。

 それではこの3学期、皆さんのがんばりに期待をして式辞といたします。


2学期終業式式辞

 8月24日に始まった2学期。この間、皆さんは、新型コロナウイルス感染回避行動「うつらないよう自己防衛、うつさないよう周りに配慮、習慣化しよう3密回避」を実践しながらの学校生活でした。部活動や諸行事の中止・規模縮小など、様々な学習活動に影響がありました。今学期も、大変な毎日でしたが、皆さんは、今できることに全力で取り組みました。そのような中、私たちに勇気と感動と希望を与えてくれる出来事がありました。

 まず、「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」のかけらを持ち帰った快挙です。6年前に旅たち、52億キロの宇宙の旅から凱旋でした。順風満帆だったように見えるミッションですが、その舞台裏は苦難の連続だったようです。安全に着地できる場所がほとんどない中、狭い平地への着地に成功させたこと。また、2回目の着地は、一度採取した物質すら持ち帰れない恐れがあった重大な決断を迫られたこと。など数多くの試練がありました。しかし、その度に粘り強く解決策を見出し、リーダーの陣頭指揮のもと逆境を見事に乗り越えました。

 もう一つは、白血病を乗り越え、奇跡の復活を果たした、競泳女子・池江璃花子選手です。池江選手が白血病を公表したのは、昨年2月12日です。長い闘病生活を経ての衝撃的な復活劇でした。昨年、自身の病気を公表後、ツイッターに次のようにメッセージを載せていました。「乗り越えられない試練はない。自分に乗り越えられない壁はないと思っている。私にとって競泳人生は大切なもの。今は、完治を目指し、焦らず周りの方々に支えていただきながら戦っていきたいと思います。必ず戻ってきます。」

 想像もつかないような苦しみと辛さを克服し、再び檜舞台に戻ってきた池江選手の強い精神力と並々ならぬ努力は称賛されるべきことであり、多くの人たちに勇気と感動を与えてくれました。 これらの出来事は、新型コロナウイルス感染症にまつわる重苦しいニュースばかりにさいなまれる昨今の世の中において、久しぶりに明るく前向きなトピックスとなったのは間違いありません。野村高校にも数々の明るい話題がありました。体育祭・高校祭の成功をはじめ、運動部、文化部の活躍、各種大会の成果など、今できることに全力で取り組み、多くの結果を収めてくれました。 

 私は、是非皆さんに、「困難に打ち勝って疲れず、チャレンジを続けてほしい」ことを切に願っています。困難に遭遇しても挑戦し続けることの大切さを持ち続けてほしいと思います。学校生活や家庭生活の中で困難にぶち当たることがあるでしょう。そこから、決して逃げないでください。もし壁が見えた時は、「困難な壁」と思い込むのではなく、「ステップアップの壁・階段」だと思ってはどうでしょうか。自分自身を成長させる、過程であると思いポジティブに捉えてほしいと思います。

あと数日で、新年を迎えます。また新たな気持ちで、強い気持ちで、それぞれの目標に向かって進んでください。来年は、この野村にとっても、皆さんにとっても良い年になることを祈念して式辞といたします。


2学期始業式式辞  

 いよいよ今日から2学期が始まります。まずは、この夏休み中、大きな事故もなく、皆さんとともに笑顔で新学期が迎えられることを大変うれしく思います。

コロナ禍の今、制約された中ですが先ほど表彰いたしました方をはじめ、夏休み中も多くの人が、いろいろな場面で活躍をしてくれました。陸上競技部の井上君、農業クラブ活動に尽力された畜産科の皆さん、各部活動の大会や練習試合、地域ファームステイなど、皆さんそれぞれが、充実した夏を過ごしてくれたのではないかと思います。

 さて、始業式にあたり「行動」、「主体性」の二つについてお話します。

まず、「行動」についてです。当たり前ではではありますが、「何かを目的に、実際に具体的な行動を起こす」ことです。ここで、皆さんに野村高校の3つの行動パターンについて考えてほしいと思います。一つ目の行動は、「勉強」、二つ目の行動は「部活動」、そして三つめの行動は「地域連携活動・諸行事」、これが本校で体得できる三つの行動パターンです。

 先日、愛媛大学の先生が「大学教員から野村高校の皆さんへ」のテーマで、大学入試対策講座を開催してくださいました。その中で、グループディスカッションに向けての準備のお話において、「野村高校の強みは『行動』である」とのお話がありました。有名な、マザーテレサの言葉、「思考は運命を変える」の格言の一部分に触れられました。「思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさいそれはいつか習慣になるから・・・・・」と続きます。

特に、運命を変えるなら行動を大切にすること、そして行動を変えることの大切さを説明されました。言葉でどればけ良い事を言っていても、何も行動しなければ意味がありません。現に、マザーテレサも、その行動が活動を高く評価され、多くの賞を受けられました。

もう一度、繰り返しますが野村高校の強みは、3つの行動ができることです。そして、特に三つ目の行動である、地域連携活動をはじめとした様々な諸活動は、他校ではあまり見られない本校の強みです。今後も、これらの行動パターンを大切にするとともに、特に3年生は大学入試における書類作成やディスカッションにこの強みを活かしてほしいと思います。

 次に「主体性」についてお話します。現在、3年生から校長面接を行っています。ある生徒に「あなたの自慢は何ですか」と問いかけたら、「主体的に行動していることです。」と答えが返ってきました。

 皆さんが、主体的に行動する場面は、授業や部活動、学校行事・委員会活動や清掃活動、生徒会・家庭クラブ・農業クラブ活動、家庭学習、地域連携活動など、多くの場が用意されています。先日も、オープンハイスクールで多くの皆さんが主体的な行動をしてくれました。本当にありがとうございます。学校や地域の中で様々な活動の中で、今後も「主体的」に活動する生徒であってほしいと思います。

主体的な活動は、意欲につながります。いろいろなことにチャレンジする行動にもつながっていきます。そして、それがクラスや部活動の仲間にも広がっていくと思います。よい集団を築くためにも、主体性はとても重要であると思います。

 一つ目の「行動」、二つ目の「主体性」これを重ね合わせた「能動的な行動力」をさらに磨けば、皆さんの周りには、チャンスがたくさん集まってきます。新型コロナウイルスのような、人類にとって未知の課題がこれからも出てくることがあるかもしれません。皆さん一人一人の人生の中で、困難なことにぶつかることもあるかもしれません。そんな時、自分の力になってくれるのが、行動力と主体性であると思います。どうか自分の力を信じて、今日からの新たな学期に臨んでください。皆さんの行動力と主体性に期待をして式辞といたします。


1学期終業式式辞

 4月8日に始まった1学期。この間、皆さんには、新型コロナウイルス感染回避行動「うつらないよう自己防衛、うつさないよう周りに配慮、習慣化しよう3密回避」を実践していただきました。部活動等の対外試合の中止をはじめ、様々な学習活動に影響がありました。特に、3年生はつらく、悔しい思いをしたことでしょう。しかし、そのような中、一人一人が気持ちを切り替え「野村」という学校組織のメンバーであることを意識し、慎重に行動していただいたことに感謝いたします。終業式にあたり2つのことをお話しします。

 まず、「感謝」についてです。先日の愛媛新聞に、平成元年度卒業生の元関脇玉春日 片男波 良二さんに関する記事が『当たり前のことに感謝』の見出しで掲載されていました。『生活のさまざまなことが制限されて、人との関りなど、当たり前だったことに感謝するようになりました。相撲も同じ。場所が開催できるのは恵まれていたのだと気付かされました。』との内容でした。また、野球部の今内キャプテンは、PTA会報に「野球ができることに感謝したい」と執筆しています。

私も同感です。毎日、学校に行けること。毎日、部活動ができること。お店に行けば必要な物が買えること。すべてが有難いことです。そう思って身の回りを見渡してみると、まだまだ、沢山あることに気がつきます。私たちは、今回のように、実際に日常がなくなってみないと、その有難さは実感しにくいものです。皆さん、是非この機会に「感謝の心」を忘れない習慣づくりに取り組みましょう。

 もう一つは、「有意義な夏休みを過ごす」ことです。それは、時間を有効に使うことに尽きると思います。よく言われる考え方ですが、1日を3つに分けると効果的です。午前は8時から12時の4時間、午後は1時から5時までの4時間、夜は、8時から12時頃の4時間に分けます。この、午前、午後、夜の3つのうち、例えば2つに「勉強」を入れると、どこか1つの時間をたっぷり遊んでも、8時間は勉強ができます。1・2年生で毎日8時間は無理だとしても、どこか1つに「勉強」を入れれば、毎日4時間は確保した上で、かなりの時間がフリーになります。どこか1つに部活動があれば、残りの2つのうち1つに勉強を入れる。もしくは、2つに部活動があったら、残りの1つに、最低4時間は勉強時間を確保しましょう。3年生は、進学・就職試験に向けて、やらなければならない勉強や準備が沢山あると思います。2つ半くらいは、勉強を入れてください。

 重要なのは、夏休みを効率よく過ごすためには「計画をたてる」、「けじめをつける」ことです。そして、朝寝坊をしないことです。進路情報夏季号に夏休み中の学習のポイントが各教科別に掲載されていますので、しっかりと確認してください。

 さて、明日から今年は少し短い夏休みを迎えますが、模試、実習、部活動など盛りたくさんです。事件、事故などのないよう、そして引き続き「新しい生活様式」を実践し、健康状態の把握に努めてください。もし、変わったことがあれば、速やかに学校に連絡していただきますよう、お願いしまして式辞といたします。


入学式式辞

 はじめに、新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大を受け、入学式がこのような対応になりましたこと、新入生並びに保護者の皆様をはじめ、関係の方々に御理解と御協力をお願い申し上げます。そのような中、本日、愛媛県立野村高等学校の入学式が挙行できますことは、新入生をはじめ教職員並びに在校生一同の大きな喜びであります。また、御来賓の皆様、保護者の皆様には御臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。

 ただ今、入学を許可いたしました57名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そして、皆さんを今日まで立派に育てられた保護者の皆様に、心からお慶びを申し上げます。

 本日より、本校の生徒として勉強することになりました。これからの変化の激しい社会を生き抜いていくためには、自ら学ぶ意欲と主体的な学習の仕方を身に付けるとともに、豊かな人間性と逞しい体力を養うことが求められます。

 本校の今年度の教育目標は、「新しい時代をたくましく生き抜く人材の育成―夢をつくる 心をつくる 未来をつくる」です。皆さんが、新しいことや難しいことに果敢にチャレンジすることを恐れずに、自分自身の主体性をしっかりと身に付けてほしいと思います。

 そのために、高校時代に次の三つのCを実行してください。

 まず、Chellengeです。これは、高校生活への挑戦です。ただ、言われるままに、何とはなしに学校に来て、何とはなしに学習をするのではなく、高校生として勉強に部活動に積極的にチャレンジしてください。高校の学習で期待するものは、ただ教えられるままの知識や技能ではなく、私たちが生活し、仕事をし、逞しく生きるために必要とする生きた学力です。是非、それを身に付けてほしいと思います。

 二つめは、Considerです。これは、よく考えることを意味します。自分で考え、判断して、行動してほしいということです。よく考えることは、他人を思いやることに通じます。人間が人間として生きていくためには、あたたかな人間関係がますます重要です。これは、立派な社会人としての基本的な条件です。「考えて、判断し、行動する」そのような訓練を、是非、つんでほしいと思います。

 三つめは、 Controlです。自分をコントロールできる能力を養ってほしいと言うことです。理性と言う言葉に置き換えることもできます。一人一人が耐性を育むことです。待つ、耐える、我慢するということは高等な精神活動です。まだ、耐性が発達していない赤ちゃんは、お腹が空けばすぐに泣き、思うようにいかなければ駄々をこねます。人間が社会生活を円滑に行うためには、自分をコントロールすることが大切です。 

 皆さんには、これから本校で、これらのことを学びながら、自己の可能性を高め、地域を支える人材に成長していってほしいと願っています。どうか、これら三つのCを心にとどめ、充実した高校生活を送ってください。新入生の皆さんが今日の喜びを忘れず、心身ともに健康で、有意義な高校生活を送ることを心から願って式辞といたします。


1学期始業式式辞

 本日より、令和2年度が始まりました。皆さんは、少しばかりの緊張感と大きな期待に胸を膨らませて、登校してきたのではないかと思います。

さて、新型コロナ・ウイルス感染者の増大を受けて、その防止の取り組みが一層強化されています。一人一人が、自己管理、健康管理に全力をあげ、「野村」という学校組織のメンバーであることを肝に銘じて、くれぐれも慎重に行動するように強く願っています。

 昨年度末は、終業式も行われず、少し長い春休みでした。それぞれの担当の先生から「課題」等が出されていたと思います。その課題を着実にこなすことはもとより、このような期間を前向きにとらえ、日頃、集中的に取り組めないような読書など、自分の興味があることや好きな課題を自ら見つけて、豊かな時間が送れたでしょうか。このような期間を、他者から命じられなければ何もせずに、目的意識なく過ごしていくのか、それとも社会から偶然投げられた時間を、自分にとって貴重な時間にできるのか、皆さん一人一人の姿勢が問われていると思います。後者のように自ら主体的に考え、課題を設定し、挑戦する姿勢が大切であると思います。

 主体的に行動し、自分が達成困難な大きな課題に失敗をおそれず果敢にチャレンジすると自分自身を成長させることができます。また挑戦をすることで、自分の隠れた才能を引き出すことができます。挑戦をしている人は、失敗が多くなります。しかし何度失敗を繰り返しても、最終的に大きな目標を達成することができれば、失敗は無駄になりません。挑戦をすることで課題を克服するために努力し、技術力を上げ、精神力を向上させることができます。

 本校の努力目標は、昨年に引き続き「新しい時代をたくましく生き抜く人材の育成~夢をつくる 心をつくる 未来をつくる~」です。皆さんが、新しい時代を力強く歩み、新しいことや難しいことに果敢にチャレンジすることを恐れずに、そこで出会った積極的失敗を糧にして、自分自身の主体性をしっかりと身に付けていただくことをお願いいたします。そして最後にもう一つ、今年度も引き続き、日本一気持ちの良いあいさつのできる学校、そして日本一端正な身だしなみ、日本一積極的に清掃活動ができる学校を目指そうということをお願いして式辞といたします。


2019年度

 

卒業証書授与式 校長式辞

 野村の山々に立ちこめる美しい朝霧の切れ間にも春の気配が感じられる今日のよき日に愛媛県知事代理 南予教育事務所 教職員課長 萩森英俊様、西予市長 管家一夫様をはじめ、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、大変な状況の中ではありますが、こうして令和元年度愛媛県立野村高等学校卒業証書授与式を挙行できますことを、卒業生はもとより、教職員一同、心から御礼申し上げます。

 また、卒業を心待ちにされていた保護者の皆様におかれましては、この3年間でたくましく成長されたお子様の姿をご覧になり、感激もひとしおと拝察いたします。心よりお慶び申し上げます。そして本当にありがとうございました。

 さて、今日の門出を迎えた66名の皆さん、卒業おめでとう。君たちの晴れの門出に、心からの拍手を送り、お祝いを申し上げます。

 3年前、皆さんが入学したときに私も野村高校に着任いたしました。だから、皆さんの3年間の歩みは私の3年間の歩みと同じです。入学式で私は皆さんに、着工から130年以上経った今も建設中のスペイン・バルセロナのサグラダファミリア聖堂を取り上げ、どんなに小さくてもいいからこの3年間でそれぞれ自分のサグラダファミリアを積み上げて欲しいというお話をいたしました。振り返ってみて、どうだったでしょうか。

 昨年の夏、野村は未曾有の豪雨災害に見舞われました。豪雨はかけがえのない命を奪い、多くの人たちの生活を奪いました。全く予想もしなかった出来事の中で、皆さんは、被災した友だちを思い、地域を思い、自分たちにできる精一杯のことをしてくれました。そして、地域を少しでも元気したいとの思いを持って、学業に、部活動に、学校行事に目覚ましい活躍をしてくれました。あまりにも悲しい出来事ではありましたが、そんな経験をした皆さんの心の中のサグラダファミリアには、大きなパーツが積み上がったはずです。

 さて、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが迫ってきました。東京という夢の舞台に向かって輝いているアスリートたちの姿が連日のように報道されています。しかし、同じようにひたすら東京オリンピックを目指し、必死の努力を重ね、金メダルに最も近づいたはずの競泳の池江璃花子選手が東京オリンピックに出場することはありません。突然に襲った病魔が彼女の夢を砕いたとき、彼女は何を思ったでしょうか。

 皆さんは、今日からそれぞれ、新しい第一歩を踏み出すわけですが、これからの人生の中では、楽しいことやうれしいことばかりではありません。いくら頑張ってもうまくいかないこともあると思います。野村を襲った豪雨災害のように、池江選手を病魔が襲ったように、これ以上ないような逆境に立たされることもあると思います。しかし、どんな状況でも歯をくいしばり、前に向かって歩み続けてください。

 野村の町では、地域の方々が悲しみを乗り越え、復興に向けての歩みを進めています。池江選手は、今、病気と闘いながら、2024年のパリオリンピックを目指して、再びトレーニングを開始したそうです。

 最後に、もう一つだけ皆さんに伝えたいことがあります。

 皆さんが今日の日を迎えることができた背景には、常に皆さんを温かく見守り育ててくださった保護者の方々、そしていつも野村高校を応援してくださる地域の方々、同窓生の方々に支えられてきたことを忘れてはなりません。野村高校は、地域や同窓生の熱い思いに支えられたすばらしい学校です。野村高校を卒業したことに自信と誇りを持って堂々と生きてください。そして心が折れそうなときは、自分には、「野村」という強い絆で結ばれた多くの仲間がいることを思い出してください。 

 名残はつきませんが、皆さんが輝かしい未来に向かって、歩まれることを祈念いたしまして、式辞といたします。


3学期始業式式辞                          

 皆さん、おはようございます。冬休みもあっという間に終わり、今日からいよいよ3学期です。

 まずは皆さんが事故もなく、元気で新年を迎えられたことを大変うれしく思います。

 さて、皆さんは正月をどのように過ごしたでしょうか。これから受験を控えている3年生、特にセンター試験を受ける皆さんは、正月返上で最後の追い込みをかけたのではないかと思います。センター試験まであと少しです。焦らず体調を整えて試験に臨んでください。健闘を祈ります。

  さて、この正月、テレビで箱根駅伝を見ました。関東学生連合チームを含む21校の学生たちが死力を尽くして襷をつなぐ姿に今年も大きな感動と勇気をもらいました。多くの人たちが箱根駅伝に感動を覚えるのは、選手たちがこの日のために365日、生活の全てをかけ、来る日も来る日も人知れず努力を重ねてきたことが想像できるからだと思います。そして、もう一つ、私が感動するのは、選手に給水のドリンクを渡すチームメイト、ゴールした選手にタオルをかけるチームメイト、走る選手に力一杯の声援を送るチームメイトの姿です。彼らは同じように努力を重ねてきたけれど、箱根路を走ることができなかった控えの選手たちです。

  新聞に箱根駅伝のスポンサーの会社が出した次のような応援メッセージを見つけました。

 

走りたかった4年生たちへ

 

いっしょに成長してきた仲間たちだから、応援したい気持ちもあるだろう。

いっしょに成長してきた仲間たちだからこそ、応援しきれない気持ちもあるだろう。

誰かに励まされることで、もう一度悔しい思いをしたかもしれない。

母校のたすきがいちばん遠くに感じたかもしれない

それでも。

それでも、チームを応援することを選んだ彼らを応援したい。

そこにはタイムには表れない強さがあるから。

悔しさを振り払って、今日までたどり着いたと思うから。

だから、どうかいっしょに応援してほしいのです。

コースの外にいる、4年間を駆け抜けたランナーたちを。

区間を走る10人と、ともにたすきをつなぐランナーたちを。

すべてのランナーたちの思いが、どうか完走しますように。 

 

 箱根駅伝の中継の間には、競争に敗れ、走ることを断念した青年が、挫折を乗り越え、新たな夢に向かって再び走り出すCMが何度も流されていました。

 いよいよ新しい年が始まりました。ここにいる全ての皆さんが、自分の夢を見つけ、その夢に向かって走り続けてくれることを願って式辞といたします。


2学期終業式式辞

 令和最初の年もあと10日ほどとなり、今日で2学期が終了します。

 2学期には、体育祭や高校祭をはじめ修学旅行や北海道ファームスティなど多くの学校行事がありましたが、皆さんは本当に一生懸命取り組んでくれました。

 また、私はいつも皆さんに「日本一あいさつのできる学校」を目指そうということをお願いしていますが、皆さんは、私の呼びかけに本当によく応えてくれました。地域の方々や本校に来校された外部の人たちから、野村高校生のあいさつは素晴らしいというお褒めの言葉を何度もいただきました。それから、私がいつも感激するのは、トイレのスリッパが揃っていることです。気持ちのよいあいさつができることやきちんとスリッパを揃えることは、私たちが成長していくための絶対的な土台だと思います。引き続き、みんなであいさつ日本一の学校を目指していきましょう。

 さて、2学期の終業式に当たり、「時間をかけて向き合う」ということについてお話をしたいと思います。

個人的な話ですが、私は、高校・大学時代、合唱の世界にのめり込みました。様々な合唱曲と接してきましたが、印象的だった曲の一つに草野心平という有名な詩人の詩に多田武彦という作曲家が曲をつけた「富士山」という男声合唱組曲があります。この組曲は、全部で5つの曲から構成されますが、その5曲目つまり終曲が圧巻です。終曲の前半は、重たい雨雲に閉ざされた平野の様子をベースとバリトン(音域の低いパート)に暗く低い音域で歌わせるのですが、一瞬の「間」の後、曲調が一変して夕日に映える富士山の姿が今度はテノール(音域の高いパート)によって、実に美しく、ドラマティックに奏でられます。作曲した多田さんは、曲調が一変する直前に訪れる一瞬の「間」にこの組曲の全てを込めたと述べています。何度聞いても、一瞬、全ての音が消えるこの「間」に心が震えます。しかし、この「間」の感動は、終曲だけを聴いても得られません。感動は、第一曲目からじっくり聞いて、時間をかけて終曲のこの箇所にたどり着いたときにはじめてもたらされるのです。

  音楽に限らず、映画でも、テレビドラマでも同じです。どんなに感動するシーンでもそこに至る流れや背景がわからないと感動は伝わりません。そしてそれは、本を読んだり勉強したりする場合にも当てはまると思います。急いで答えや結果だけを求めるのではなく、最初から最後までじっくりと付き合ってこそ、本当の意味を理解することができるのではないでしょうか。

  便利な時代になり、早さや効率性が求められることが多くなりました。しかし、このような便利な時代だからこそ、めんどうくさがらずに、たまには腰を落ち着けて最初から最後まで、じっくりと聴いたり、見たり、調べたり、読んだりしてみて欲しいと思います。そうやって時間をかけて向き合うことではじめて自分のものになるのでなないかと思うのです。この冬休み、じっくり時間をかけて何かに取り組んでみてはどうでしょうか。

 それでは、事故のない、有意義な冬休みを過ごしてください。そして、最後にもう一つお願いしたいことがあります。

 皆さんそれぞれが立てる来年の目標の中に「どんなときも自分を大切にする、そして自分の周りの人を大切にする」ということを是非、加えていただきたいと思います。

 始業式にはまた元気な笑顔で会いましょう。終わります。


2学期始業式式辞

 いよいよ今日から2学期が始まります。
 まずは、この夏休み中、大きな事故もなく、皆さんとともに笑顔で新学期が迎えられることを大変うれしく思います。
 先ほど、何人かの人を表彰いたしましたが、夏休み中も多くの人が、いろいろな場面で活躍をしてくれました。インターハイで活躍してくれた相撲部の久保君と陸上競技部の松本さん、ビーチバレーボールの全国大会で見事にベスト8入りを果たした西尾さんと篠藤さん、愛媛県の高校生の代表の一人として次世代リーダー塾に参加した金子さん、現在、まだ現地で研修中ですが、酪農のニュージーランド研修に参加している友松さんなど、皆さんそれぞれが、充実した夏を過ごしてくれたのではないかと思います。また、家庭クラブの役員の皆さんは、台風というアクシデントにもかかわらず、県の研究発表大会を見事にやり遂げてくれました。
個人的な話になりますが、この夏休み、私の娘たちと久しぶりに映画館に行き、「ライオンキング」を観てきました。「ライオンキング」は、劇団四季のミュージカルで大変有名になりましたが、この映画は、その内容を完全CG化したもので、CGのリアルさに大いに感動いたしました。そういえば、9月に行く普通科の修学旅行では、劇団四季の観劇が入っていましたね。大いに楽しんできてください。
 さて、今日、皆さんにお話ししたいのは、実は映画の内容ではありません。家で映画のDVDを観るよりも映画館で映画を観る方が感動するのはなぜかということです。
昨今は、インターネットや関連機器の発達により、DVDにしてもテレビ番組にしても自分の好きなときに、好きな箇所を何度も繰り返して視聴できます。時間がなければ、録画しておいて、都合のいい時に見ればいい。有名予備校のカリスマ講師の授業も、自宅のパソコンで視聴できる時代になっています。
これに対して、映画館で映画を観るということは、料金を自分で払い、上映日や上映時間に自分の都合を合わせなければなりません。もちろん一時停止などありません。そうなると、家でDVDを観るのとは、観方(みかた)が違う。集中力が違います。映画館で観る映画が感動するのは、大きいスクリーンやいい音響で観るということもありますが、何よりも我々、観る側の姿勢にあるのではないかと思います。
 考えてみますと、日々の授業や実習も同じです。1時間1時間の授業や実習は、映画館の映画と同じで、たった一回きりです。二度と同じ授業を受けることはできません。
皆さんは毎日の授業にどのような気持ちで取り組んでいますか。
先生方もこの1回の授業のために、一生懸命準備をして、少しでも皆さんにプラスになるように真剣勝負で挑んでくれています。家庭学習ももちろん大切ですが、毎日の1時間1時間の授業や実習に、どれだけ集中して、真剣にのぞむかによって、全く違った結果が得られるはずです。
2学期には、体育祭や高校祭などたくさんの学校行事があります。これらの学校行事も映画館の映画と同じです。何度もやり直したり、一時停止したりできないリアルタイムでのドラマです。
 今日は、久しぶり