戦前の・・・

2022年10月30日 16時56分

今年の5月から修理をしていた 足踏みミシン

1914年(大正3年)アメリカ製

夏休みの後半に 修理が完了しました

108歳のおばあさん それなりに若返り 軽やかに動いてくれています

 

    

 

 お盆の頃に 八幡浜の旧坂本歯科で 戦時下の八幡浜 を紹介する展示を見学

貴重な建物を残そうと 有志の方たちが廃屋をきれいにされていました

廊下に ほこりをかぶった大きな蓄音機

扉は壊れ ハンドルのつまみもなく あちこち割れて 塗装も劣化しております

その晩 そのヒトのことが 脳裏から離れず

次の日には 修理を申し出てしまいました

調べてみると1924年 アメリカビクター社製 VV-210 98歳です

固まったゼンマイモーター(強力なゼンマイ2丁)もばらして 再グリース

木製のケースも 割れや隙間を直し シェラックニスでフレンチポリッシュ仕上げ

ミシンと同様 ねじ一本まで 磨き上げます

 

   

 

  

 

カビにまみれたSP盤たち(LP以前の ごつくて割れる78回転レコード)もきれいにして

何十年ぶりに 98歳の Victorola 嬢に 唄ってもらいます

鉄針(英国でまだ製造中!)は片面ごとに交換

竹針で聴くヴァイオリンには 魂を奪われます

電気増幅しないその音は たとへば コオロギがそこで鳴いているような 生の音

やはり蓄音機は「特別な音」( 妻の感想 )でした

 

   

 

残されたSP盤に  戦後のものは 一枚もありませんでした

 

元の持ち主が 生前に聴いていたのと 同じ音で 

返すまで 大事に だいじに 秋の夜  聴かせてもらっています

 

      芸術(美術)仙波