「晴美 逝く(ハルミ ゆく)」

2021年12月9日 11時05分
一口日記

瀬戸内寂聴(ジャクチョウ)さんこと、瀬戸内晴美さんが

11月9日に亡くなられた。

99歳、大往生である。

 

若い芸能人との対談も、軽妙でユニーク、

ツルツル頭で法衣姿のおばあちゃん。

 

若い頃は、その男性遍歴と著作から子宮作家とも揶揄(やゆ)された

奔放的なイメージの強い女流作家であった。

そこから、51歳での出家、いわゆる「激しい生き方の人」である。

 

『源氏物語』を原文で読む力のない私にとって、現代語訳をされた彼女は、はるか遠く雲の上、あこがれの存在であった。

 

雲の上と言えば、高知県檮原(ゆすはら)町にある「雲の上図書館」。

東京オリンピックスタジアムを設計した隈 研吾(クマ ケンゴ)さんの設計で、外装・内装ともに木材あふれるアーティスティックなデザインだ。

 

不思議なエネルギー空間であり、寝転んで読書をしてもよいとのコンセプトには、正直、驚いた。

全国的にも個性的な図書館・書店の誕生が相次いでいる。

 

さて、マイブームは野村高図書館である。

他では すぐには借りられないような新刊が、「手を伸ばしてごらん、直ぐに借りられてあげるよ」と語りかけてくる。

各コーナーの配置もユニークで楽しい。

 

先日、「最新の話題作」のコーナーの横の棚に、さりげなく瀬戸内晴美さんの書籍がまとめられていた。

「わたしたちに、お気づきですか」と語りかけてくるように。

 

小さな図書館の中には、いくつものストーリーがある。

うちの図書館を使わないのは もったいない。

 教頭 児島