サッチモ

2022年6月1日 09時25分

本校の先生方の忙しさを毎日見ている。

日々の働きぶりには頭が下がる。

学習指導、生徒指導、部活指導、・・・・・。

土日休日関係なく、子どもたちのために

朝早くから夜遅くまで

個人の時間を犠牲にして頑張っておられる。

教師の仕事がどうしてこんなにも

過酷になったのだろうか。

 

父は中学校の教員だった。

寡黙な人だった。

いつも怒った顔をしていて

滅多に笑顔を見せてくれなかった。

最近わかったのだが、

それが普通の顔だったのだ。

 

先日、家内の還暦祝いを行った。

その際、3人の息子たちが言った。

おっとうは俺らに厳しく

いつも怒った顔をしていて

話しづらかったと・・・・・。

私はいつもの顔だった。

最近、よく言われる。

父によく似ていると・・・・・。

 

小学校低学年の頃

父が宿直の時のよく勤務先に泊まりに行った。

その頃は学校には宿直制度があった。

普段は、厳しい父が

そのときだけはとても優しかった。

普段は食べさせてくれないお菓子は食べ放題。

次の日に提出する学校の宿題は

丁寧にわかりやすく教えてくれた。

夜が更けるにつれ、若い先生方が酒瓶を持って

宿直室に集まってきた。

布団の中で先生方が語らい合う様子を見ていた。

普段、見ることのない父の笑顔がよかった。

 

昔の学校には余裕があったのだろう。


父は遺言で自分の葬式には

サッチモの曲を流してほしいと言った。

葬式にジャズなんてと思ったが

父の願いを叶えてやった。

式場に流れる「バラ色の人生」

最高によかった。

多くの父の教え子が見送ってくれた。

 

朝の連続ドラマ「カムカム・エブリボディ」を視聴して

サッチモと父を思い出した。

父が死んで8年になる。  牛舎 仲木