時代

2022年9月7日 21時04分

30年ほど前の話である。

当時、瀬戸町の教員住宅で暮らしていた。

夫婦とも教員だったので、

子どもを昼間は子守りさんに預けていた。

 

ある日、

長男が子守り先のばあちゃんから千円札をもらった。

これで、お菓子でも買いなさいと・・・・・。

 

就学前の長男はそれを近所の店で使った。

保育園の友達に大盤振る舞いしたようだ。

おごってもらった子の母親の知らせで、

この件が明るみとなった。

 

当然、私と家内は長男に対して、

こんこんと指導した。

お金の大切さ、お金の使い方、

買い食いはいけないこと等・・・・・。

 

長男は涙を流し、

ごめんなさいを繰り返した。

多分もうしないだろうと判断し、

長男を許してやろうと思った。

最後に、しょうちゃん(次男)が同じことをしたら、

お前はどうすると聞いた。

長男は「わからんようにするんよ」と言うと答えた。

 

私と家内は思わず笑ってしまった。

それまでの努力は何の意味があったのだろうか・・・・・。

 

発達段階に応じた指導ができていなかったようだ。

子どもの教育は難しい。

我が子の教育さえきちんとできないのに、

教壇で他人の子の教育なんで到底できないと思った。

 

現在、東京の長男は34歳になり2人の子の親となっている。

当時の私の年齢だ。

彼はちゃんと孫の教育ができているのだろうか・・・・・。

 

時代はまわり、めぐり、繰り返す。

いろんな事が起こるだろうが、

多分どれも笑い話になるだろう。

今となって実感する。

教育は焦らず急がずじっくり待つことが肝心だと。

    牛舎 仲木