糊を炊くって・・・
2020年10月28日 18時07分
3年生絵画の授業の製本、いよいよ完成の一歩手前までまいりました。
中身が全員完成したので、表紙作りと中身との接合です。
表紙の布も、各自が店で買ったものを使うなど、気合いが入ってきました。
裏打ちした布をボール紙に接着、天地(上下)を折り曲げ貼り込みます。
その後、角を少し折り込んで左右を接着します。
表紙の背の部分に丸みを付けて、最初に中身の背の部分(クーター)と表紙の背を接着します。
溝の部分を鏝を当てながら接着、細い棒を溝に入れてしばらく圧着。
溝をつけるのは、表紙の開きをよくするためです。
だんだん本らしくなってくるので楽しくなってきます。
最後の工程、見返しの紙と表紙の接着。
実はここが一番難しいところです。
貼った後、紙にしわが出たり、表紙との空きのバランスが悪かったり、
糊が多すぎたり少なすぎたり・・・ 一番の鬼門です。
やり直しがきくように、ここはデンプン糊(濡らすとはがれる)を使います。
今回はなんと、糊を自分で作ります。
小麦粉を水に溶かして、弱火でかき混ぜながら作ります。
さらさらだったものが、だんだんねっとりしてきます。
2年前の豪雨災害、八工と吉田を兼務していた私は、吉田にボランティアに行きました。
偶然にもそのおうちのおじいちゃんが、愛媛でも数人しかいない本格的な表具師さんでした。
博物館の資料を修理される程の腕前で、和紙の扱いや糊の炊き方などいろいろ教わりました。
なので、糊炊きの体験をぜひとも生徒にして欲しかったのです。
火加減や止めどきなどいろいろ難しいのですが、なんと上手くいきました。
のり刷毛で出来るだけ薄く、しかし確実に、中心から広げる様に見返しに糊を塗ります。
表紙を閉じて、一晩圧着、一応これですべての工程は終わりです。
うまく出来たでしょうか、次の授業までのお楽しみです・・・。