おそらく 世界一幸せな かまぼこ板たち

2022年5月24日 14時32分

2年生の美術、かまぼこ板でゴム銃を作っています。

正確には 1年生の最後につくったものを仕上げています。

去年、かまぼこ板を糸のこで切り出して、組み立てを完了していましたので

新年度はグリップの形を含めた最終仕上げです。

 

 

昨年度の制作の様子からの紹介です。

使うのは かまぼこ板5枚 としなベニア。 かまぼこ板は 家で食べた残りの板を使います。

型紙を かまぼこ板に カーボン紙で写します.。

グリップの部分は、手動の糸のこで切り出します。

初めて使うという生徒がほとんど

理由は簡単で、実は電動のこより 危険だからです。

ですが、クランプを使うだけで格段に安全に作業ができます。

自分の力で木を切っていることが実感できるので、切り終わった達成感は格別です。

  

細かい部分は 刃の細い 電動の糸のこ を使います。

細かい部品が多いので、どのような順番で切るのかがポイントです。

たまに 切ってはいけないところを切ってしまうこともありますが、やり直せばよいのです。

  

 瞬間接着剤、木工ボンド、ボール盤、ドリル、木ねじ などを使って組み立てます。

接着にも順番があり、現物合わせで組み立てるので 細心の注意が必要です。

グリップをねじ止めして 基本の形ができたら一応本体の完成。

ここからグリップの加工等の最終仕上げです。

実は ここからがいちばん楽しい?

 テーマは「手で考える」

何も細工していない状態のものを 目をつぶって 握ってみて

違和感があるところを ヤスリ(棒ヤスリ、サンドペーパー)で削っていく。

自分の「手が喜ぶカタチ 」を探していきます。

しっくりくるのが好き、ちょっと抵抗感がある方が気持ちよい、など

好みはそれぞれ、自分の手だけが喜ぶ、自分だけの正解を探します。

 

 

写真のペットボトルは、TY NANT (ティ ナント 英国製)のミネラルウオーター。

美術の教科書にも載っているもので 数年前に他校の美術の先生からいただきました。

見るだけではわからない、実際に握って感じてみる。

手で考えるデザインの参考としてぴったりで すごく助かっています。

 生徒のみんな、自分だけの答えを求めて、ひたすら削り、磨いていきます。

 

かまぼこ板は 堅さと柔らかさ のバランスが絶妙で、このようなものをつくるのには最適です。

オイルかワックスで仕上げると 木目も美しく 手触りも最高です。

将来、自分のこどもに 自慢げに見せてもらいたい。

 

食べ終わって捨てる かまぼこ板が、どのように生まれ変わるのか。

根気強く磨いた者しか出会えない世界があります。

デジタル、バーチャル全盛の21世紀

時代に逆行した 昭和感あふれる教材ですが

生徒のみんな楽しんでくれているようです。

 

かまぼこ板を定期的に寄贈していただいている

地元のお弁当屋さん、以前お勤めだった事務長先生

おかげで 生徒のかまぼこ板の準備が楽になってきています。

この場をお借りして あつくお礼申し上げます。

 それにしてもいろんな人に愛されている学校だなあ。

完成したら、また報告いたします。