クラフトデザイン 1冊目 完成してました
2024年11月22日 10時07分3年生 クラフトデザインの「包み(くるみ)製本」
1学期に 途中まで報告していた続きです
前回の報告は 綴じ終えて 背を丸めるところ で終わっていました
背の反対側「前小口」の紙をつまんでずらし
背側を金槌でたたいて丸みを出し
板から少し背を出して挟み 折り曲げるようにたたいて
「耳だし」をします( 最初の難関 )
背の 天(上) の部分に 好みの色のしおりひもを接着
その上から天地に花布(はなぎれ) を接着
背の補強と表紙との接合のために 寒冷紗を接着します
表紙との接着の前に「クータ」という筒状の紙を接着
背の幅の2倍強の幅の クラフト紙 を背に貼り
両側を折り曲げて 互いに接着して 筒状になるようにします
ボンドがはみ出ると筒にならないので 慎重に
ちゃんと筒状になったか確かめて・・
うまくできました
筒状のクータが 背表紙裏と本体の背と それぞれ接合することで
本体と背表紙は接合せず 別々に動くことができ
本の開きがよくなります
中身の部分はこれで完成
続いて表紙を作成します
中身の幅や高さを計測して 表紙の大きさを決めます
背表紙(地券紙)平表紙(ボール紙2枚)を
ちり(中身から表紙がはみ出る部分)など考慮して切ります
表紙用の布に ボール紙を接着する目安の線 を入れます
布は 適度な厚みの物なら 何でも使える
厚めのハンカチ や 思い出の古着でも・・
家から持ってきた布を使う子もいます
(宇和町の手芸店がなくなったのが残念)
貼る位置が決まったら 布に厚紙を接着
高さが揃うように 注意します
耳の部分の 溝の空きは 今回8㎜ にしました
四隅を折り込むために45度に切り落とします
布を表紙に接着する順番は天地が先
横の部分は爪を使って上手に形よく折り込んで接着
市販の本でも この部分で製本の上手がわかってしまう 大事なところ
できあがった表紙と本体を接着します
表紙と中身を別に作って
中身をくるむように表紙を接合するので「くるみ製本」
このあたりの工程は 作業につきっきりだったので 写真を撮れませんでした
溝の部分は こてで 特にしっかり接着し
両方の溝に竹ひご(3㎜幅)を置き
板で挟んで一晩プレスします
きれいな溝が できました
本の開きをよくする 大事な部分
ここが きれいに決まると 完成度が全然違います
最後の難関
見返しの紙を 表紙の裏に接着します
木工ボンドではなく やり直しの効くデンプン糊を使用
小麦粉と水を1:3で混ぜ
鍋でごく弱火で 混ぜながら自作します
液体が糊状になるのを見た 料理が好きな Y 君が
「ホワイトソース!」その通りです さすが!
見返しに手際よく刷毛で糊を塗って プレスします
(ここも写真をとる余裕無なし)
宇和高の M氏 からいただいた 大きなプレス機が大活躍
おかげで この人数でも 講座が成立しました(大感謝)
みんなうまく接着できました
ALT のキャサリン先生
1学期いっぱいの ご勤務なので ちょっと早めに完成
見返しに 猫の足跡のスタンプ
一応これで製本は完成ですが
今回せっかくなので 「蔵書票」をつくります
日本ではなじみがありませんが
西洋には 自分の蔵書に 版画でできた蔵書票を貼ったり
コレクションする文化があるそうです
世界にひとつだけの 自作の本なので
とことんやってみましょう
↓ 手描きの原稿
コピー機で縮小し 白黒反転させたもの などを使います
初めての本格製本でしたが
野村の生徒諸君 みんな一生懸命作ってくれました
けっこう手間はかかりますが
「正しく手順を踏んで 丁寧に作れば ちゃんとしたものができる」
ということを 実感してくれたと思います
2冊目は もっと手間のかかる「帳簿製本」
現在 花布を編み終わりかけたところです
3年クラフトデザイン「包み製本」 完
芸術(美術)