3年生(昨年度2年生)美術 ノート完成報告
2025年5月7日 08時00分昨年の2年生(現3年生)が美術の授業で制作したノート
大変遅くなりました 完成報告です。
( 最初から完成までの紹介なので 長文です )
3年生クラフトデザインでは 本格的な道具が必要な製本をするのですが
2年生美術の授業では、特別な道具がなくても制作できるノートをつくりました。
横目の紙8枚の紙を折って、一組にしたもの(1折丁)を用意
どれだけ使うかは生徒に任せています。
それぞれの中央に 縫うための穴を目打ちであけます。
A L T の先生も挑戦しています。
穴をあけたら 丈夫な糸に蜜ロウをすり込んで縫っていきます。
糸の継ぎ方も理解して、黙々と縫っています。
(家庭科ではなく 美術の授業風景)
全部綴じ終えたら、背の部分をボンドで固めて 次の工程
表紙の模様のための「消しゴムはんこ」の制作。
ひとつのハンコでも、向きや組み合わせで「発展性のあるデザイン」を考えます。
原画をトレーシングペーパーに写して、ひっくり返して消しゴムに転写。
スパチュラで裏をこすって転写しますが、スプーンなども代用できます。
模様の部分を切り落とさないよう、慎重にカッターや彫刻刀で彫ります。
彫り終わったら、試し押しで彫り具合を確認。
最終的に絵の具を使うので、少し深めに彫るのがポイントです。
色違いのスタンプ台(100均)を使って、ハンコの向き・色の組み合わせを研究
押し方次第で、ひとつのハンコでも複雑な模様ができるのが面白いところです。
どのようにハンコを押して模様を作るのか、めどが立ったら本番
白紙のノートの表紙に 薄くマス目を引きます。(4Hの鉛筆使用)
本番はスタンプ台ではなく、アクリル絵の具を自分で混色して使います。
2色以上使う場合、配色や色のトーン(調子)も重要。
以前に作った色立体も参考にして考えています。
タンポに筆で絵の具を付け、ハンコにはタンポで色をのせます。
コロナ禍の時期に 学校に支給されたガーゼのマスク
保健室から譲ってもらって、ばらして使っています。
絵の具の水分量、ハンコへの絵の具の付け方も重要。
ぽんぽんと絵の具を付けたり、さっと流すように付けたり
それだけで全体の表情が変わります。
アクリル絵の具なので、授業の途中でハンコの絵の具が乾いて うまく押せないことも・・
洗剤で優しくハンコを洗って再開します
授業の最後にも 次回のために手入れをします。
消しゴムハンコの模様が完成。
ノートの背の部分に、皮の風合いの紙(スキバルテックス)を貼ります。
しっかり密着させるのが重要。
学校の裁断機で、上下横の3箇所をきれいに切り揃えてノート本体は完成。
これでも十分なのですが、ここまで来たのなら・・
自分で作った証に、オリジナルのマークなどをデザイン
箔入れペンで金色に入れてみます。
自分のイニシャルや名前の漢字などを元にデザインして箔入れ。
市販の高価な大学ノートも、この部分にメーカーのマークなどが箔入れされています。
A L T の先生も挑戦、お見事です( Perfect ! )
もうええでしょう
いえ まだまだです
個人端末を使ってラベルをデザインします。
チームズで課題を配布して、それぞれが作成、提出。
フォントの書体やポイント数、画像の貼り付け方、著作権などを学びます。
( 実は堪能な生徒君に助けてもらいながらですが ICTも活用しているということで・・)
表紙の色に合ったクリーム色の紙にラベルを印刷、適度な大きさに切って使います。
切り方、貼る位置などそれぞれ工夫しています。
デザインしたラベルですが
せっかくの消しゴムハンコの模様の邪魔をしたくない ことも考えられます。
なので、必ずしも表紙に貼らなくてもよいことにしています。
( 表紙の紙の裏など どこかに貼っていればよい )
完成したノート 模様の余白に意味が出ています。
かなり時間をかけてしまいましたが
さすがは野村の生徒諸君
ていねいな仕事をかさねて力作ができました。
ノートなんて買えばすむのですが
そうではない世界 もあることを実感してくれたなら 幸いです。
( R6年度 2年美術 ノート制作 )完 芸術(美術)