足下のともしび
2022年6月16日 21時29分六月もはや半ば。仕事に慣れたと言う感覚は、微塵も無い。
なれるというよりは、新生活にながされているといったところが、正直な感想である。
ところで、人はなぜ意味も無く下を向いたり、ため息をついてたりしてしまうのだろうか。
先にいっておきたいが、気がめいっているわけではない。
ただ、湿度も高まり、まとわりつくようなうっとうしさを感じる季節になってきて、
そんな機会が増えたような気がする。
「下を向いたって何もない。ただひたすら前を向いて歩け!」
そういわれたら、そうかもしれない。
燃やせるものが何もないときにこそ、闘魂は燃やすものである。
・・・けれど、案外下を向いてあるいてみることも悪くない、と思う。
最近、教員住宅近辺では螢がぽつぽつ光る。
そのことに気づいたのは、私も同じく、下を向きながらぽつぽつ帰った時だった。
舞うというよりは息づくように、彼らは足もとの草中で光るのである。
光りの拍動に、思わず嘆息が漏れる。
感激に満ちたため息は、満たされた心が少しこぼれた結果だと、そのときに知った。
小さくか弱いともしび。けれど確かに、私たちの足下を照らしてくれる灯火。
今日も今日とて、のむらいふ。