第76回 四国高等学校陸上競技対抗選手権大会 結果報告
2023年6月20日 16時52分全国の夢 4年連続つなぐ
6月17日 女子5000m 競歩 名本 鈴音
プログラムのランキングでは3位。しかし厳しい戦いであることは、本人が一番よくわかっていた。ランキングの記録はあくまでも県大会での通過記録であり、それぞれが持つ自己ベストタイムではない。全国大会への枠は5位まで。狙いは、5位通過。スタート後、上位3人は最初から振り落としを狙いスピードを上げていく。必死に食らいつこうと4・5・6・7位集団で粘りのレースをするものの徐々に4・5位が抜け出しじりじりと差をつけられ惜しくも6位でのゴールとなった。
2年生の県総体での失格。県新人での発熱と四国大会を経験できなかったことは、大きなハンデだったがそれを乗り越え3年生で四国大会を戦えたことは、本当に素晴らしいことだと思う。素直に競技に向き合い努力してきた結果が四国大会出場を勝ち取ったのだと思う。
6月18日 男子3000m障害 福岡 心瑛
県大会で優勝という素晴らしい成績を得たことが、彼にとって知らぬ間にプレッシャーと慢心を抱かせてしまう結果になったのではないかと推測している。予選を2位で通過したものの、県大会のような余裕はなく、むしろ動きがぎこちなく重く見えた。決勝ではのびのびと走る先頭集団に置いていかれたように後退し、自分の実力を発揮できないままゴールした。きっと自分でも何が起こったのか理解できないままレースが終わったのではないだろうか。苦しそうに走る姿は県大会の時とは別人に見えた。栄光の陰には悔しい思いをする選手がいる。しかしその悔しさこそ次の勝利を目指す原動力になる。ランキングに入っていない選手が6位入賞を勝ち取り歓喜している姿をこの四国大会で何度も見た。高校から陸上競技を本格的に始めた彼にとって四国大会は経験したことがない場所。この経験は必ず来年度の全国大会への原動力になってくれるものと期待する。
女子やり投げ 織田 わかば
「昨年度全国大会に出場しているから、今年も大丈夫」というほどブロック大会は甘くない。出場枠はわずかに6人。どの競技も四国で6人しか出場できない(競歩は5位まで)。県大会では助走のリズムがうまくいかず、投げもバラバラで自己記録に届かず苦しんだ。それから2週間、助走のリズムを見直し安定させ、力のある投げに繋がるように取り組んだ。
フィールド種目は予選3本で上位8人が決まり決勝3本を8人で争う。予選の3本は決勝を有利にするための大切な3本、できるだけ好記録を出し8人の中でも上位記録を残しておきたい。2投目で39m00、3投目で39m04と立て続けに自己記録を投げ4位の記録でベスト8に残る。
決勝での3投は、記録は伸びなかったものの、自己記録を更新し、みごとに5位入賞を果たすことができた。昨年度の全国大会は思うように実力が発揮できないまま決勝に進めず3投で終わった。今年は、持ち前の勝負強さで40mを超えていく大投擲を見せて欲しい。
6月19日 男子やり投 和氣 洸汰
昨年度のこの時期にはまだヤリさえ握っていない。初めて出場した新人戦の記録は39m、そこから冬季トレーニングに取り組み、今年度南予地区予選では51m28、県大会では53m52と投げる度に記録を更新してきた。まさに上り調子、ランキングでも5番目に位置していた。しかし流石にブロック大会は簡単ではない。良い感じでアップを終えて、いよいよ練習投擲が始まる。「いつもどおり」を目指していたが、助走のリズムや腕の振り、ヤリの種類と微妙に違いが出てヤリが50mを超えていかない。3投目でやっと50mを超えベスト8に残ることができた。
しかし、織田の展開と逆で決勝で6以内を狙っていかなければならない、そこに意識できない力みが生まれる。結局6位とのわずか7センチを詰めることができずに、7位で終わってしまった。初めての四国大会なうえに試合経験はまだ数えるほどしかなく、ここまで戦えたことは、今後の伸びを考えると楽しみでしかない。目指せ60mオーバー、今後の努力に期待する。
文責 陸上競技部顧問 中島